食品工場の縁の下の力持ち!真空ポンプも衛生管理が必須です

真空ポンプからは、目に見えない油がまきちらされているかもしれません。

真空ポンプの食品衛生

食品の製造工程では、様々な場面で真空ポンプが活躍しています。例をあげると、下記のようなものになります。

  • 麺の練り工程での脱泡
  • 食品の冷却装置
  • 焼酎の蒸留
  • 含浸による食品の味付け
  • 充填(ボトリング)・包装

これらの製造工程では当然のことながら衛生面に細心の注意が払われていますが、一方で忘れられがちなのが使われている真空ポンプです。空気を「吸い込む」真空ポンプは、空気を「吐き出す」コンプレッサに比べて、衛生面の心配は無いと思われるかもしれません。けれども真空ポンプは、吸い込んだ空気を必ずどこかへ吐き出しています。吐き出された空気に油が混ざっていたとしたら?

今回は、真空ポンプの食品衛生について考察します。



油回転式ポンプが引き起こす問題

油煙による周辺環境の汚染

現在使われている真空ポンプの多くが、気密性を高めるため内部に油を充填した油回転式ポンプです。安価なため広く流通していますが、運転中には排気口から油煙を吐き出しています。この油煙が様々な問題を引き起こす原因になるのです。

排気口から吐き出される油煙は目に見えないため、普段気にならないかも知れません。けれども、室内の壁や床がべとついていたりしませんか? 吐き出された油は壁や床の他に、製造中の食品や製造機械にも付着していることになります。これらの油は食品や製造機械を汚染して製品不良を引き起こすだけでなく、床に付着してスリップの原因になるなど、作業環境も悪化させてしまいます。

「うちの工場の真空ポンプは商品から離れたポンプ室に設置してあるから大丈夫。」本当にそうでしょうか? ポンプ室には真空ポンプと並んでコンプレッサを設置していたりしませんか? コンプレッサ(空気圧縮機)は周囲の空気を吸い込んで圧縮する機械です。せっかくコンプレッサをクリーンなオイルフリー式にしても、吸い込む空気が汚れていては、コンプレッサの内部や圧縮空気まで汚染されてしまいます。

メンテナンスコスト

油回転式のポンプは内部の油の管理が必要です。油の量が減少していないか常にチェックし、定期的な継ぎ足しや交換をしなければなりません。これらのメンテナンスコストは無視できない金額になります。

また、油回転式のポンプは水分を吸い込むと内部の油が乳化し、真空度が下がってしまうという弱点があります。特に食品製造工程は湿度の高い環境であることが多く、高価な抗乳化性オイルを使用している工場も少なくないでしょう。

食品製造用途に、食品機械用潤滑剤の国際的な安全基準であるNSF H1を取得した真空ポンプ専用のオイルもあります。ただしこれらの専用オイルは非常に高価です。また、専用オイルであっても劣化すれば当然汚染の原因になりますし、周辺環境に付着した場合の影響は専用でないオイルと同じです。

水封式ポンプの問題点

油回転式ポンプの他に普及しているポンプとしては、内部に水を封入した水封式ポンプというものがあります。

油を使用していない為一見クリーンに見えますが、内部で雑菌が繁殖する可能性があり、衛生面でリスクを抱えています。メンテナンスの面でも封水量や水の温度管理が必要で、設置に給排水管設備が必要になるなど、こちらも手間がかかります。

また、水温によって真空性能が変動するので、安定した真空度を得ることが難しいポンプでもあります。

管理の手間を省いてクリーンな真空を

アネスト岩田のドライ真空ポンプに置き換えてみましょう!

特長1:オイルフリーなので食品用途に最適

アネスト岩田のDVSL・GVSシリーズは油を使用していないオイルフリー真空ポンプなので、油煙の発生がありません。面倒な給油作業から解放され、保守点検の作業費・部品費も削減できます。

特長2:タフでメンテナンスサイクルが長い

通常の使用状態であればメンテナンスは1年毎(24時間運転の場合)です。このクラスのドライポンプではトップクラスのメンテナンスサイクルの長さを誇ります。また、通常時の面倒な油や冷却水の点検などは不要です。



食品工場向け真空ポンプのご提案資料はこちら